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夏になると気になる…女性が直面する「二の腕問題」は医学的にどうなのか


夏本番。半袖やノースリーブで過ごすことが多くなる季節ですね。レジャーに出かけたり、家族や仲間と夕方からお酒を楽しんだり…楽しみなイベントが目白押しです。

楽しい時間を過ごした後に「はいチーズ!」と記念撮影をしてみると、「あれ!?私こんなに二の腕たるんでたっけ!?」と愕然としたことはありませんか?

そこで今回は、女性が抱えやすいお悩みのひとつである「二の腕問題」を深掘りしてみました。「今年こそ二の腕問題に終止符を…」そう思って読み進めてくださいね!

二の腕たるみの原因は人によって違う!?


二の腕のたるみについて検索すると、原因に関する様々な情報やトレーニング方法がヒットするかと思います。実際に正しいこともありますが、根本的な理由を知るためには医学的な根拠に基づく理由を知ることが最も良い選択です。

二の腕を構成する組織を大きく分けると、「皮膚」「皮下脂肪(皮膚のすぐ下の脂肪)」「筋肉」の3つに分かれます。二の腕のたるみはこの3つ全てに何らかの原因があるかもしれませんし、一部に原因があるかもしれません。つまり、人によって本当の原因が異なるということです。

人体なので、つい「みんなと同じ原因だからみんなと同じ対策をしよう!」と右に習えをしてしまいがちですが、これはNG。なるべく正しくご自身の状況を把握することがスタートラインといえるでしょう。

皮膚が原因で二の腕がたるむメカニズム

まずは、皮膚について勉強していきましょう。
皮膚は、地層のようにいくつかの層に分かれており、それぞれに役割があります。細かい役割については本記事では割愛しますが、この役割を全うするためには「肌細胞」が欠かせません。ところが悲しいことに、肌細胞は加齢と共にどんどん減ってしまいます。

皮膚は加齢で衰えていく

事実、肌細胞は20歳を越えると急激に減少し、50歳の時点で20歳の頃の約1/3程度まで減ってしまうことが科学的に実証※1されています。肌細胞が減少すると皮膚のあらゆる機能が低下し、


・「コラーゲン」「エラスチン」「ヒアルロン酸」の減少により、皮膚がハリや弾力を失う
・水分の保持能力が低下して乾燥しやすくなる
・皮膚のターンオーバー能力が低下しダメージを蓄積しやすくなる


などの具体的な理由によって、たるみ・シワ・皮膚が荒れるなどの具体的な症状が発生するのです。

外側からの刺激はダメージが蓄積

皮膚はとてもデリケートな部位です。なので、外側からの刺激によってすぐに傷ついてしまいます。特に、太陽光の紫外線によるダメージも計り知れません。皮膚層の深くまでにダメージを与えるので、知らず知らずにダメージが蓄積していってしまうのです。蓄積したダメージは必ずいつか表面化します。面倒くさがらず毎日ケアを行い、なるべく刺激を軽減するようにするべきということですね。

悪い食生活が及ぼす怖いお話

良くない食生活習慣が身体に悪い影響を及ぼすことはご存知の方は多いと思いますが、具体的に何が悪いのかはあまり知られていません。特に気をつけたいのが、糖質です。

まず過剰に糖質を摂取する生活を送り続けていると、「細胞の糖化」という悪魔の機能が目を覚まします。身体のエネルギーとして使われずに余った糖質は、体内でタンパク質と手を組んでAGEs(糖化最終生成物)という悪玉物質を大量に作り出してしまうからです。皮膚では飽き足らず、血管、骨、内臓、筋肉など体内に含まれるタンパク質全てを攻撃し、身体の機能をどんどん低下させて、病気や老化の原因となってしまいます。

と、ここまで小難しい話をしましたが、要するに「加齢」「紫外線などの外からの刺激」「糖質の過剰摂取」などに心当たりがある場合は、皮膚に問題があって二の腕がたるんでいるかもしれないということです。


※1:参考文献
Ichijo, R. et al. Nature Aging 2, 592–600 (2022).
Lechler,T, & Fuchs, E. Nature 437, 275–280 (2005).
Liu, N. et al. Nature 568 344–350 (2019).
Matsumura, H. et al. Science 351 aad4395 (2016).

皮下脂肪が原因で二の腕がたるむメカニズム


皮膚の構造について少しだけ解説しましたが、皮膚のすぐ下には脂肪と脂肪組織を支える靭帯部分(コラーゲンで構成された繊維)が存在します。

美容の大敵なので、「皮下脂肪なんて必要ない」と思いがちですが、外部からの物理的な衝撃を和らげるクッションとしての役割だったり、冷えをカットして体温を維持するためにとても重要な仕事をする大切な部位なのです。

ところが飽食の現代社会では、ご存知の通り必要以上に脂肪を蓄積しやすい環境にあります。そのため、皮膚が支えきれないレベルの重みが加わってしまうと、脂肪組織を支える靭帯部分(コラーゲンで構成された繊維)が伸びきってしまい、たるんでしまうといわれています。

また、体内の酸化・糖化、老化などもこの部分を伸ばしてしまう原因になることも…
ダイエットなどで皮下脂肪を減らすことも大事ですが、皮膚と同じく生活習慣にも気を配るべきなのではないでしょうか。

筋肉が原因で二の腕がたるむメカニズム


一般的に二の腕のたるみを解消したい方にとって、身近な対策方法は「筋トレ」ですよね。事実、このアプローチは筋肉量が減っていたり、筋肉の機能が低下している方には有効かもしれません。

というのも、筋肉は思っているよりもずっと衰えやすい部位です。
医学的には、筋肉を使わないと1日3〜5%も筋肉が萎縮し、筋力が低下していくといわれており、これを「廃用性筋萎縮」といいます。これに加えて、加齢によって筋肉を新しく作る機能や筋肉量そのものもどんどん減ってしまいますから、「筋肉を使っていない」状態なのであればその部位に脂肪がつきやすくなってしまうのはある種当然のことなのです。

二の腕のたるみが発生する部分は、具体的には腕の後ろの筋肉である「上腕三頭筋」。上腕三頭筋を動かして、血流を良くしながら筋肉量を少しでも増やすトレーニングを生活に取り入れると良いでしょう。

じゃあ結局何をしたら二の腕はたるまないの!?


二の腕のたるみの原因を長々と解説してきましたが、みなさんが知りたいのは「何をしたらたるまないのか」という点ですよね。まず前提として、即効性を期待してすぐに改善したい場合には美容医療を受けるのが一番です。とはいえコストなどを考慮すると、まずは今からできるセルフケアについて知りたいのではないでしょうか。中長期的な目線にはなりますが、医学的に確実に有効である方法を優先度順にご紹介しましょう。

生活習慣の改善

まず、根本的に二の腕がたるまないようにする方法は、まず「悪い生活習慣」を生活から排除することです。人間なのでついつい自分に甘い選択を取ってしまいがちですが、定着した状態でさらに歳を重ねてしまうとさらに治すのは根気がいると考えてください。とはいえ過剰になる必要はなく、あくまで無理のない範囲で少しずつ改善してくださいね。具体的には以下のような方法があります。


喫煙習慣がある場合には禁煙する
睡眠時間を確保し睡眠の質を高める(成長ホルモンの分泌)
糖質の多い食生活を見直しバランスよく適量を摂取する
不足しがちな栄養素はプロテインやサプリメントなどで補う
運動不足を解消し身体を動かす習慣を身につける
姿勢が悪い場合には意識して改善する
お酒はほどほどに

肥満だと感じている場合はダイエットを始めよう

肥満という状態は一般的に身体に様々な炎症を引き起こすため、すぐにでも解消のためにアクションをした方が良いでしょう。自分が肥満であるかどうかの客観的な判断指標は、健康診断の結果です。中性脂肪などの数値が平均より上の場合には、肥満だと考えて対策を考えましょう。

ここで注意が必要なのは、肥満ではないのに自分を肥満だと思ってしまう方もいらっしゃること。骨格などによって見た目で判断すると危険な場合があります。無理なダイエットは心身を壊してしまう原因となるため、40代からは「ゆるく身体に良い長期的ダイエット」を心がけてください!ここでいうダイエットとは、良い習慣を身につけて適正な体重を目指すことをいいます。

やはり大事な皮膚のケア

まずショッキングな事実をお伝えしておきましょう。基本的に、現在の二の腕のたるみを改善するような効果を持つ魔法のクリームなどは、医学的には存在しないということです。あくまで皮膚へのダメージを減らす効果のあるものばかりで、たるみの症状改善となるものはありません。この点は、勘違いしやすいポイントなのでしっかりと覚えておきましょう。

とはいえ、打つ手がないのかと言われればそうではありません。二の腕のたるみを予防するためには、皮膚への刺激を徹底的に減らしてください。
二の腕がたるんでいるからとマッサージをする行為も場合によっては危険かもしれません。強くもんだり、こすらないように注意してください。

さらに、「常に皮膚が潤っている状態を作るために保湿しておくこと」「紫外線対策をしっかりすること」。
この2点も守っておけば、ケアはとても良い状態といえるでしょう。

特に、紫外線は肌の老化を加速させるだけでなく、コラーゲンを破壊して、肌がたるむ原因を作ります。適切な方法で紫外線をカットしましょう。
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二の腕のたるみは良くない習慣のパロメーター。根本的な改善のためには、やはり生活の質を上げることなんですね!私もたくさん心当たりがあるので一緒に頑張って「二の腕問題」を解消しましょう!

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