前回は更年期ケアのクリニック編をご紹介いたしました!
今回は、サプリを用いた更年期ケアをご紹介していきます。
まだ、クリニック編をご覧になっていない方はこちらもぜひご覧ください◎
目次
サプリ/市販の医療品
女性ホルモンの働きを助ける成分にはいくつかの種類があります。ただ、サプリメントと言っても膨大な種類のサプリがあります。
そのため、自分に合った成分含むサプリメントを選ぶことが大切です。
では、どんな成分が何の症状に効果があるのか。
ここでは、更年期症状の緩和が期待されている成分をご紹介いたします。
大豆/イソフラボン
「イソフラボン」という成分は、別名「植物エストロゲン」とも呼ばれ、女性ホルモン「エストロゲン」とよく似た働きをすることで知られています。
更年期障害の軽減が期待できるのと同時に心血管系の改善や骨代謝にも改善が期待できるとされています。骨の主成分であるカルシウムや、その吸収を助けるビタミンDも一緒に摂れるサプリメントならより効果的です。
大豆イソフラボン代謝物/エクオール
大豆イソフラボンの一種であるダイゼインから腸内細菌によってつくられる活性代謝物
「エクオール」1日/10㎎を目安に摂取することにより、肩こりやほてりなどの更年期症状の改善に加え、骨代謝・メタボリックシンドロームなどの改善が期待できます。
ローヤルゼリー
ローヤルゼリーはエストロゲンの作用を持ち、更年期のさまざまな症状の改善が期待できます。
ローヤルゼリーにはタンパク質の他、必須アミノ酸9種類やその他のアミノ酸15種類、ビタミンなど、合計で40種類もの栄養素が含まれているため肌のうるおいもアップします。
また、ローヤルゼリーに含まれる「アセチルコリン」という物質には、自律神経を正常にする働きがあります。そのため、更年期に伴う心の不調の症状の改善効果も期待できます。
オメガ3脂肪酸
「脂質」は糖質やタンパク質と並ぶ三大栄養素の一つ。生きていくためには必要不可欠な成分です。体を動かすエネルギーになる他、私たちの体を作っているすべての細胞、一つ一つを覆っている膜を作る大切な成分です。
オメガ3脂肪酸は細胞膜を柔らかくすることで、ホルモンバランス(分泌)を整えることができるため、更年期の症状改善が期待できます。
他にも、ダイエットや花粉対策にも効果が期待できます。
NMN
「NMN」とは、「ニコチンアミドモノヌクレオチド」と呼ばれる、水溶性ビタミンBの一種である「ニコチンアミド」から合成される成分のことで、若々しい身体を保つうえで重要な役割を果たします。
まずNMNは体内に摂取されると、「NAD+」というビタミンB3に変化します。
NAD+は全ての生き物に存在し、細胞が生きるための重要な活性剤の役割をしてくれます。
そしてNAD+が体内で増えると「サーチュイン遺伝子」という、老化をコントロールする遺伝子が活性化されます。サーチュイン遺伝子は別名「長寿遺伝子」とも呼ばれていて、普段の生活の中で活動はしていませんが、生物が飢餓状態になると活動を開始し、若返りの作用を働かせ生命を維持する働きをします。
NAD+にはサーチュイン遺伝子を活性化させる機能があるため、NMNを摂取することによって間接的にサーチュイン遺伝子を活性化させることができます。そのため、エイジングケアの効果が期待できます。
また、NMNには自律神経を整える効果やエストロゲンを増加させる作用もあるとされているため、NMNを摂取することによって更年期に伴う心の不調の症状の改善効果が期待できます。
ザクロ
栄養豊富なスーパーフードのひとつであるザクロは、古くから「女性の果実」と呼ばれてきました。
ザクロにも、「エストロゲン」が豊富に含まれています。それにより、ホルモンバランスの変化で起こる更年期障害の症状改善が期待できます。
さらに果実や野菜などの赤い色の元である「アントシアニン」「タンニン」「エラグ酸」
という「ポリフェノール」は、抗酸化作用や抗炎症作用があります。そのため、美肌効果やエイジングケア効果も期待できます。また、エラグ酸にはメラニンの生成を抑える働きがあるため、シミやそばかすの予防効果も期待できます。
ですが、健康に対するザクロの効果に関する強固な科学的根拠は今のところありません。
レッドクローバー
レッドクローバーはヨーロッパおよびアジア原産の豆科の植物で、エンドウ豆やインゲン豆と同様、マメ科植物に属しているため、大豆と同様にイソフラボンが含まれています。
そのため、更年期の症状緩和や骨量低下予防目的で使用されており、安全性も高いとされています。しかし、研究結果には一貫性がありません。
その他のハーブ
上記以外にも更年期症状に対して用いられるハーブは数多くあり、イチョウ葉・ホップ・当帰・月見草・朝鮮人参・バレリア・甘草・メハジキ・レモンバーム・自然薯などがありますが、有効性を示すデータはきわめて少ないのが現状です。
我慢は禁物
更年期症状は我慢するものではありません!
一過性だからといって我慢をして過ぎ去るのを待つのは禁物です。
更年期障害は、症状の種類や症状の重さの個人差が大きいため、辛さを共有しづらく1人で抱え込んでしまう方も少なくありません。そうなってしまうと、更年期症状を悪化させる要因にもなってしまうので、専門医による適切な治療やサポート、自分にあったサプリメントを使用することが大切です。ご紹介したように、医学的に効果が実証されていないものも多くあるので、分からないことがあればお医者さんに確認しましょう。
また、セルフチェックをして現在の状態を客観的に理解することも更年期と上手に付き合っていく上で重要になります。
この時期に自分をいかにメンテナンスしてあげられるかで、それ以降の将来が変わってきます。人生100年時代の今、女性は閉経後30年以上も生きていくのです。その人生が心地よいものであるように、1人で抱え込まずに、上手に更年期と向き合いながらみんなで乗り越えていきましょう◎